心を変える身近な物質 ―カフェインとその仲間―

世界中の民族にそれぞれ喫茶の風習があります。

興味深いことに、まったく異なる植物由来の飲み物なのに、
“カフェイン”とその仲間の化合物が含まれていることです。

チャ(茶)、コーヒー豆、カカオ豆、コーラナッツ、ガラナ、マテなど
約60種類の植物に含まれています。

茶は紀元前2700年の中国で、葉を細かく刻み熱湯で抽出して
飲んでいたといわれています。

コーヒーは紀元前1000年にアラブ諸国の人たちが長時間にわたって
眠らずに宗教の修行をするために利用していたようです。

少量のカフェイン摂取で、脳の理性を働かせる部位の
大脳皮質が興奮するため、眠気や疲労感が薄れ、
気分はすっきりし、集中力が高まり、効率がアップしたのでしょう。

 

どうしてカフェインにこんな効果があるのかは
1980年代になってから解明されました。

脳の細胞は神経細胞と呼ばれ、軸索という腕を伸ばし、
網目のように巨大なネットワークを構成しています。

情報は電気信号の形で神経細胞の中を伝わります。

しかし、目的の細胞までひとつの細胞が伸びているわけではありません。

途中で神経細胞を乗り換えます。

最初の情報の送り手である神経細胞を「節前繊維」、
受け手を「節後繊維」と呼びます。

節前繊維と節後繊維の間には“シナプス”と呼ばれる、
わずかな隙間があります。

ここは電気信号では飛び越えることはできません。

情報は化学物質に姿を変えます。

この化学物質を“神経伝達物質”と呼びます。

ノルアドレナリン、アセチルコリン、ドーパミンなどが有名です。

 

ところで“カフェイン”の姿(化学構造)は、
“アデノシン”という物質にそっくりなのです。

“アデノシン”とは、遺伝子(DNA)や
細胞内のエネルギー物質であるアデノシン三リン酸(ATP)をつくる
重要なパーツです。

そして、興奮性の神経伝達物質の量をコントロールする物質でもあります。

 

節前繊維の先端(シナプス小包)には神経伝達物質とATPが入っています。

電気信号の刺激が先端まで伝わると神経伝達物質とATPが放出されます。

放出された伝達物質は節後繊維にある受容体に結合して
興奮性シグナルを伝えます。

伝達物質と一緒に放出されたATPはリン酸を失い
“アデノシン”へと素早く分解されます。

アデノシンは節前繊維にあるアデノシン受容体に結合し、
「伝達物質は十分にあるから生産を抑えて」という合図をだします。

この合図をうけた神経細胞は伝達物質の生産を抑え放出量を下げます。

このようにして、アデノシンは節前繊維から放出される
伝達物質の量をコントロールしているのです。

 

ところが、アデノシンに似ているカフェインは
アデノシン受容体に結合して受容体を占領します。

受容体に結合するアデノシンが少なくなり、
「生産を抑えて」の合図が弱くなります。

その分、多くの興奮性の神経伝達物質が放出されつづけて、
神経線維は興奮を続けることになるのです。

 

ちなみに、カフェインに”耐性”ができるとは、
神経がアデノシン受容体を増やすので、興奮が抑えられてしまうのです。

カフェインの同じ効果を期待するには摂取量を増やすしかなくなります。

増やしていくと、大脳皮質への刺激がかなり強くなって、
興奮が高まり、不安やイライラといった
カフェイン中毒が発生することもあります。

また、大量のカフェインは、副腎髄質を刺激して、
抗ストレスホルモン(ノルアドレナリン)を放出するので、
脳ばかりでなく、全身が興奮するのです。

その反動で落ち込んだりもします。

カフェインには依存性は認められていません。

 

私達が生きていくには脳細胞の情報伝達、つまり脳の興奮が不可欠です。

平常心とは、脳がほどよく興奮した状態で、
脳内で神経伝達物質のバランスがとれていることが必要です。

この神経回路網が密接に結び付き、脳の深みと広がりを作りだします。

ひいては心の豊かさにつながります。

 

動かない植物が生合成するカフェイン。

劇薬に指定されています。

毒薬に次ぐ強い作用をもちます。

 

同じ環境に共存する人間に、協力的作用と敵対的作用を提供してくれます。

今後、ヒトは地球上の生命体とどのように共存していけばよいか示唆しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

———————————————————

アロマとハーブの専門店 chamomile (shool&shop&salon)

東京都世田谷区宮坂2-26-24 1F
小田急線 豪徳寺駅 徒歩2分 google MAP

TEL 03-5426-6428

email info@chamomile.co.jp

HP http://chamomile.co.jp/

facebook https://www.facebook.com/chamomile.workshop/

Online Shop http://chamomile.ocnk.net/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です