「つながり」のゆくえ ―「ひとり」の生活が標準となった-

「つながり」のゆくえ ―「ひとり」の生活が標準となった-
人との接触を「不要不急」としたコロナ禍。

情報通信環境が整っていたので、私たちは部屋にいながら外とつながることができました。
この生活のオンライン化は、今後も続くのでしょう。
オンライン接触の浸透は、人とつきあわない選択を容易にしました。
付き合いが合理的に処理され、ひとりで過ごす気軽さは確実に定着しました。

しかし、この“ひとりになりやすい社会”には問題があるのです。
人間関係が希薄だった人を追い詰めているのです。
社会は人と人とを結びつける材料を持たないということです。
つまり、個人に人間関係をつなぎとめる材料を求めます。
その材料を持つ人ほどつながりが多くなるのです。
持たない人は孤立していくのです。
つながりの格差が拡大しています。

すれ違う際のあいさつ、雑談、名前は知らないが顔は知っている・・など、
合理的でない余白に、ゆとりや豊かさがあるような気がしています。
人間関係をつなぎとめるのに、材料が必要な社会より健全でしょう!

私は、対面の接触を非対面のオンライン接触より優れていると思っていたし、
オンライン接触を経験したことで、対面接触の価値を見出したのですが・・・